++解像度について++

稀に、
最終的な解像度を上げるよう、指南されることがあるようですが、
これには、線を綺麗にする意味はありません。
[解像度]で変更しても、[モノクロ2階調/出力]で変更しても同じです。
「倍数であるとイイ」と言われるのは単純に、
■が
■■
■■
になりますよ、というだけで、線を綺麗にしてるわけじゃないんです(´・ω・`)
ピクセル数が増えるだけで、線自体の物理的な密度は変わっていません…
++ページ内ショートカット++
出力解像度って?
低解像度でスキャンして、解像度変更すると…
一度落とした解像度は復元できない
高解像度でスキャンして、解像度を落とす
補完方式の違い
モニター解像度とプリント解像度の違い

※ 解像度の違いを伝えたかった都合、画像が大きいです※
使用スキャナー
CanoScan 5000
光学解像度(主走査×副走査) 2400×4800dpi
モニター/1280*960

同じ画像を、解像度を変えて撮り込み、
それぞれ1600%(MAX)表示にしてみました。

出力解像度というのは1インチの中にpixel(ドット)が何個あるか
ということで、300dpiなら300、600dpiなら600個のpixel(ドット)があることになります。
ドット絵です。
方眼紙のマス目を塗りつぶして絵を描く感じです。
マス目が大きければ単純な絵しか描けませんが、
マス目が小さければ小さいほどそれなりな絵が描けます。
これと同じことで、数値が高いほど線は滑らかになるという寸法です。

※出力解像度を高くすると、なぜ画像が大きくなるのかは下の方に…

さて、
「スキャンが遅いから、低解像度でスキャンして、解像度変更すればいいんだわ」
と気付いてみたとします。


300dpiをバイキュービックで1200dpiに変更しました。
そもそも1インチの中に300個のpixel(ドット)しかないものをムリヤリ1200個に増やしているだけですから、
300dpiの荒い線にアンチエイリアスがかかっているだけで、
1200dpiで撮り込んだ場合の繊細さは出ていません。

また、
「高解像度じゃ処理が重いから、処理中だけ解像度を落とせばいいのよ」
と思ってみたとします。

解像度を下げる際に、pixel(ドット)が間引かれるため
解像度を元に戻しても間引かれたpixel(ドット)は復元されません。

では逆に、高解像度でスキャンして解像度を落とした場合は…


600dpiより、1200dpi撮り込み600dpi解像度変更
の方が繊細です。
線の細い方や、カケアミを多用する場合、カラー原稿用にはとくにお薦めしたいほど変わります。

++[解像度変更]の際の補完方式の違い++

・ニアレストネイバー法
(高速)。この場合の「高速」は、解像度を変更するための演算が「高速」で、 ほとんど何も考えずに拡大縮小を行う塩梅です。
ドット絵やアンチエイリアスのかかっていない文字などの拡大縮小には最適ですが、手描きの描線には向きません。
・バイリニア法
(標準画質)となっていますが、やはり手描きの描線には向きません。
・バイキュービック法
どう間引いて、どう補完すればいいか、PhotoshopのPhotoshopたるところで計算してくれます。
なので処理は遅くなります。
ただ、線がぼやける、アンシャープマスクをかけたような結果になる
という特性も持っています。
とはいえ、「じゃあどうしろと(`□´)」かつ
見た目には気にならない場合のほうが多いわけですが、
アンチエイリアスのかかっていない文字を含む画像を縮小すると
顕著に表れます。

画像は、600dpiを1200dpiに変更したものと、1200dpi撮り込みしたものとの比較。



++++++++++++++++++++//モニター解像度//++++++++++++++++++++

よくごっちゃにされますが、解像度にはイロイロあり、
モニターにはモニターの解像度があります。
モニター解像度は一般的に72ppi(mac)約96ppi(Win)です。

モニター解像度ppi→ピクセル・パー・インチ
画像解像度dpi→ドット・パー・インチ
概ね同じ意味と思ってOKです。

1インチの中にそれだけぽっちしかpixel(ドット)がないのに、
300dpiやら600dpiやらで取り込んだものを表示しようというのですから、
要はさきほども例にあげた方眼紙で考えると、
マス目の大きさは変えずにマスの数を増やしていく
であり、故に画像出力解像度が高いほど画像がでかくでかくなるわけです。
画像がでっかくなると、当然ファイルサイズもでっかくなります。
つまり、重くなります。
図解
最終的にjpg/gif/pngにする場合、
ピクセル数を変えても、出力解像度を変えても、
結果(容量)は同じです。
jpgのみ出力解像度を保持しますので、
それをプリントアウトする時に、アプリケーションによっては違いが出ます。
※たとえばIEからのプリントアウトは→「出力解像度は無視します。」
《例》■A4サイズ600dpiを72dpiに変更→出力A4サイズ
   ■A4サイズ600dpiを600dpiのまま、
    595ピクセル*841ピクセル(72dpiに変更した場合と同じピクセル寸法)に変更→数センチの画像で出力
※Photoshopの「Web用に保存」機能を使った場合、出力解像度は問答無用で72dpiになります。
解像度について詳しくはこちらを御参照ください→
アスキー デジタル用語辞典